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この記事は「キーボード #2 Advent Calendar 2022」の6日目の記事です。前日はnrさんの「レアカードをキーボードの中に入れました(備忘録)」でした。

こんにちは、bbrfkr(ビビリフクロウ)です。2020年9月から自作キーボード活動(自キ活)をしていますが、手元でできるだけ早く自分が想像したものを形にしてみたい! という欲求が強く、初期の頃から3Dプリンタに手を出しました。この記事ではこれまでに私が3Dプリンタで作ってきたものをお見せしながら、その過程で得た3DプリンタTipsを紹介していきたいと思います。

キーボード製作における3Dプリンタ

3Dプリンタやその可能性についてよくご存知ない方もいらっしゃると思いますので、ここで改めてキーボード製作における3Dプリンタについて概要を述べておきます。

3Dプリンタはその名の通り、材料から三次元立体を自動的に作り出す(プリントする)工作機械ですが、どのような手法で造形するかによっていくつかの種類に分類されます。その中で原理・コスト上、一般家庭でも利用可能な種類の3Dプリンタは、現状以下の2種類だと考えています。

私の考えですが、FDMプリンタと光造形プリンタのメリット・デメリット・使い所を整理すると、以下のようになります。

方式 メリット デメリット 使い所
FDMプリンタ ・材料に素手で触れることができ、安全性が高い
・比較的大きい造形物を製作することができる
・重量に対して材料が光造形よりも安価 ・プリンタや印刷設定の調整にそれなりの知識が必要
・積層ピッチ(*1)を小さくしにくく、積層痕(*2)が目立つ 日用品など、高精細である必要がないもの。大きいもの。
光造形プリンタ ・積層ピッチ(*1)を小さくでき、積層痕(*2)が目立ちにくい
・プリンタや印刷設定の調整がFDMよりも容易 ・材料に素手で触れられず、触れた際にアレルギー発症リスクがある
・大きな造形物を作れる機種が家庭用だと少ない
・材料がFDMと比較して高価 フィギュアなど、精細さが求められるもの。小さいもの。

光造形プリンタのアレルギーリスクや3Dプリンタを置くため場所など、造形を行うための前提に対するメリット・デメリットを無視すると

がFDMを使うか、光造形を使うかの判断基準になると考えています。

このような考えですので、私は次のようなパーツをそれぞれの造形方式で、3Dプリンタにて製作することが多いです。

ただし、このような考えはあくまで個人的に3Dプリンタを購入して、自宅で造形する場合を想定しています。国内外の3Dプリントサービスを利用する場合は、造形前提となるデメリットを無視できますし、大きなキーボードケースを光造形プリンタで出力してもらうことも可能です。それに自宅で造形する場合は3Dプリンタ代などの初期費用がまあまあ掛かったり、プリンタの調整などの運用費用・時間もかかります。

それでも私は、自宅で思いついた構想を短いリードタイムで形にできることや、出来上がった設計のトライ&エラーサイクルを頻繁に回せることから、機械費や調整費・時間が多少かかっても、自宅に3Dプリンタを導入することに大きなメリットを感じています。3Dプリンタ導入に二の足を踏んでいる自作キーボード民の方、自宅3Dプリンタはいいぞ!

私は以下の3Dプリンタ達を自宅で運用しています。